東海大学医学部付属病院遺伝子診療科

難聴

一般に1000の出生数に対し1人の割合で高度難聴の子が生まれてくるとされています。このうち少なくとも50%は遺伝子の変化が原因であると推測されています。遺伝子の変化が原因で起こる難聴を、「遺伝性難聴」と言います。

先天性難聴と若年発症型両側性感音難聴

耳の「きこえ」に関連する遺伝子は100種類以上あることが判明しています。生まれつきの難聴を「先天性難聴」、若年(40歳未満)で発症し両耳とも段々と進行する(きこえが悪くなる)難聴を「若年発症型両側性感音難聴」と言います。先天性難聴では、日本人に比較的多い代表的な難聴原因遺伝子19種類、若年発症型両側性感音難聴では7種類の遺伝子検査が保険収載されています。ひとくちに「難聴」と言っても、原因遺伝子によって、発症時期、重症度、聴力型、進行するかどうか、めまいをともなうか、耳以外の臓器に症状が出るか、など違いがあります。遺伝性難聴の遺伝子検査をすることにより、正確な診断のみならず、治療法の選択や今後の経過の予測、合併症の予測などに有益な情報が得られる場合があります。

一方で、保険収載の遺伝子検査で必ず原因が分かるわけではありません。また、ご家族にも関係する遺伝子変異が見つかる場合もあります。このため、遺伝子検査を検討される際には、難聴の専門家と臨床遺伝の専門家による遺伝カウンセリングを受けることをお勧めしています。

遺伝性難聴外来について

遺伝性難聴の遺伝子検査をご希望の方は、まず当院耳鼻咽喉科を受診してください。現在の難聴の状況を評価させていただいたのち、耳鼻咽喉科担当医より当科へ依頼いただきます。